タカシ

運び屋のタカシのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.2
『じいさんだよ。おれ、じいさんが主人公の映画見てるよ』


私は美しい女性かわいい女性をスクリーンで観るのが好きなので、観たい映画が二本あると地味めな作品はどうしても後回し。
イーストウッド作品も見たり見なかったりですが、本作久々のイーストウッド主演作という事で観に行って参りました。

イーストウッド本人はいまだに若々しい人らしい(女性関係とかもいまだ現役)と聞いていたのですが、本作はもう完全にヨボヨボでびっくりしました。いやあれ演技なんですね。それで二度びっくり。

語り口があまりにストレート、簡素で寄り道がなくてどんどん進んで行くのもびっくり。
えっもう?みたいな。

語り口もそうですが、犯罪映画? というにはあまりにも軽やか、時には笑ってしまうくらいのユーモアにびっくり。

イーストウッド映画の割りに有名俳優が続々登場にびっくり。
それなのに上映中ずっとブラッドリー・クーパーの名前が思い出せなかった自分にびっくり。

不思議な奇妙なポップさがあるようで、深い悲しみや失望、悲劇が底にあるような気もするというさまざまな感情を呼び起こさせる事にびっくり。

そして最後には深い深い感動に襲われてびっくり。

ちなみに原題「mule(ミュール)」は普通は『ラバ』の意味ですが、もっとストレートに『運び屋』とか『頑固者』などの意味もあるそうです。
今回の邦題は直訳なのですな。
さらにちなみに、私、『mole』とずっと誤読しておりまして、何でモグラ?とずっと勘違いしておりました。
やれやれ。

思っていたのと違う、予想を裏切る作品でした。
それが喜び、って作品。

良作。
劇場にて。19.02.15
2019#015
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