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運び屋のギルドのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.9
クリント・イーストウッド氏の作品は「ハドソン川の奇跡」しか見ていないのですが、ハドソン川の奇跡が2016年の見た映画の中でもトップ3に入るくらい良かった記憶があります。

 この映画も楽しみにしていた作品ですが、ロードムービーのドラマもクリント・イーストウッド氏演じるアール・ストーンのキャラクター描写/演技共に凄く良かったです!
仕事やプライベートを優先して家族を蔑ろにする一人の父親を描いていて、それでも無関心ではなく何かしらの形で貢献しようとする姿は共感が持てたしダメ人間という不完全さが逆に大好きです。
そのくらいキャラクター描写も演技も素晴らしくて、外面が良くて家庭ではダメな人間って身内にもいるし、悪いことだと分かっていても素直になれない部分を演じきった姿に惹かれたのだと思います。

 そんな彼が漏らした懺悔のシーンと「とある出来事」をきっかけに愛する家族へ献身的に・命懸けで過去の清算をしようとする姿が特に好きでキャラクター描写の生々しさがこの映画の中で一番光っていたと思います!

 あと映像面も良くて、ロードムービーの広大さから見える自由奔放さと対になる描写も良かったです!特にアール・ストーンが退役後に花を育てるシーンが印象的で、撮り方自体は「クリード 炎の宿敵」のドラゴ親子がフィラデルフィア美術館前の階段の上に登って街を見渡すシーンに似てるけどグッとくる熱さが「運び屋」にもありました。劇中で立場・想いが変化した視点の逆転を魅せるシーンが映画を上品に仕上げていて、個人的に大満足な一本でした。

見終わった後にも余韻が心地良く、目の前の仕事に必死でパートナーへの愛情が見えなくなった人や家族持ちの人にオススメしたい作品です。
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