JT

運び屋のJTのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.1
今年で89歳を迎えるイーストウッドが長い人生を通して観客に伝えたいこと
それはあまりにも身近で普遍的なものであった

2019年39本目: 原題『The Mule』

イーストウッドが演じるのは90歳の園芸家で実は一人で大量の麻薬を運んだ伝説の『運び屋』のアール・ストーンと言う男

冒頭から終戦記念日のような心安らぐ音楽と立派に咲き誇る花々が観客を迎え入れる
イーストウッド作品で毎回感じることは生きることの重みと前を向きたくなる人生の希望だ
今作にもそれが強く感じられた
人は枯れるか芽生えて実を結ぶかのどちらかで
淡々と過ぎる時間に縛られて生きている
金があれば何でも買えてそれが幸福に繋がる
だけど"時間"だけは買うことができない
遅かれ早かれその事実を真に受け止めて
自分にとって本当に大事なものに気づけた時に真の幸福が訪れるのかもしれない
イーストウッドの集大成と言われていた今作ですが
まだまだこれからな気がしてならないです。
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