ナミ

運び屋のナミのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.6
大好きな『グラン・トリノ』がよく比較対象に挙げられているので期待して行ったのですが、、
クライム映画としてはなかなかに楽しめたものの、家族ドラマとしての作りが微妙であまりハマれませんでした。

最後にちょっと向き合っただけでウン十年の確執があっさり晴れてしまうのが都合よすぎるように感じたし、そもそもアールがなぜ今一度家族と向き合おうと思い始めたのかがちゃんと描かれていない(一応仕事を失ったのがきっかけということなんだと思いますが)ので「なんでこんな爺さんになってから突然改心するんだ…?」という違和感が拭えませんでした。90歳にもなったら人間そう簡単に変われんだろ〜!という…。
要所要所で挿入されるベタな音楽にも気持ちが冷めてしまいました。

イーストウッド作品にはどっしり重たくてしんどい人間ドラマを期待してしまうので、今回の家族ドラマパートの陳腐さはちょっと残念でした。
主題である運び屋としてのお話は展開もスリリングで面白いし、やたらと頭が切れる&図太いアールのキャラクターも効いてるし、ブラッドリー・クーパーかっこいいし笑、良かったから余計に!
まだまだ頑張ってくださいという願いも込めつつ、次はもっとヘビーで骨太なやつで打ちのめされたいところです。
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