MASTiX

運び屋のMASTiXのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.8
初めから遺作を作るつもりだったとしか思えないイーストウッドサーガの集大成かつ最終回のような、ここまでたどり着いた奇跡そしてリアルタイムで堪能できる悦び、素晴らしい傑作だと思いました
今作がいい話すぎるだとか甘いだとか言う人もいるみたいだけど、今作は現状悪が存在し蔓延っている上でのギリギリの先にこうあってほしいという希望と期待を描くという方向性だと理解したので上手く乗せられて心地よかった
悪の存在のお陰で皮肉にも自分の人生が好転もし得るというあまりに巧みすぎる脚本にも揺さぶられた
あの話の流れならどれだけでもダークな残酷サイドに転がしていくことは可能だしそんな作品がゴロゴロしてる現代だけど、ここでまさかの救いの展開に舵を切ってくるあたり誰がやってもいいはずなのにそこはイーストウッドなんだという凄み
グリーンブックに感動したのも多分同じで、どれだけでも残酷にできる話だし現実は実際残酷だというのは皆承知の上で希望を提示してくるという一周した感じにやられた
MASTiX

MASTiX