ワシな、クリント・イーストウッドいうねんけど。
次の映画の企画どないしよーて
ずっと考えとったんやけどな
終活をテーマにしよ思うてん。
日本ではここ数年、終活がブームやろ?
爺さん婆さんが死ぬ前に身辺整理したりするアレや。
次の映画はな、ワシの終活をそのまま映画にしたらええねん。
主人公はワシと同じような爺さんや。
いつも仕事に精を出して、家族は放ったらかし。
口が悪くて、女好き。
そんな爺さんがえらい迷惑かけた家族に罪滅ぼしすんねん。つぐないや。人生の最後にな。
どない?泣かせるやろ?
この爺さんはワシが演じるから、爺さんだけじゃなしに、イーストウッド自身が人生の罪滅ぼししたことにもなんねん。
一石二鳥や。ええやろ。
口も聞いてくれへん娘の役にはな、ウチの娘のアリソンをそのまま演じさせたらええねん。
「お父ちゃんを許したってやー」言うてな。
これも一石二鳥や。お得やろ。
ほんでな、なんで終活か言うたらな、
終活ビジネスはごっつ儲かるらしいで。
ワシの終活を映画にしてビジネス化すんねん。
映画ファンの他にもな、終活に興味ある爺さん婆さんもいっぱい観に来てくれるで。
ブームは乗ったもん勝ちやろ?
あとな、映画監督は幕の引き方も大事やで。
ワシはそこんとこよう考えとるわ。
もう歳は89やし、いつポックリいってもおかしない。
最後の映画かもしれんから、絶対みんな観に来るで。
これな、閉店セール商法や(笑)
宮崎駿がようやるやつや(笑)
でもな、閉店セール言うてもな、ワシは安売りはせえへんで。
心込めてな、ええもん作らなアカン。