アァーーーーーー

運び屋のアァーーーーーーのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.2
最近になって実在の人物や事件を題材にする事が多いクリントイーストウッドが、その役者としてのスター性を利用しつつ白人至上主義な票を集める内容に終始し、アメリカの命題や闇にも一矢報いるテーマを掘り下げて続けて来て、近年ではアメリカにおける移民文化や近代科学などにも注訳する様にもなってきたと思うが、90近いジジイが麻薬の運び屋をするという内容だけで圧勝なテーマながら、毎度のごとく、いやそれ以上に生き急いだかの様な撮り方と衰えを隠せない「節」など、こと映画的な真新しさや表現云々の評価は決して甘めに見ても出来やしないが、齢80にもなって、老いぼれた自分をさらけ出してこの映画を撮って、それでもまだ次の作品を発表すると云うのだから、今までのイーストウッド作品が個人的に評価が低いものの、その「アメリカを代表する存在」としてはもはやスタッフや助監督に対して指示とチェックだけして任せた感すらあるが、今まで培ってきた繋がりを最大限に生かして題材を拾い集めて表現する「自分の見せ方を極めた人生」としても、個人的妄想の奥に見える像が、この作品を見て"あっぱれ"という評価の対象に繋がった。
凄い。イーストウッド。
アァーーーーーー

アァーーーーーー