クリント・イーストウッドの映画はいつも「人生とは何か?」を教えてくれているような気がする。
イーストウッド、冒頭からスッと観客の心を掴む。導入部の強さとでもいおうか引きつけて離しません。展開もテンポよくて飽きさせない。あっという間に運び屋してる。構成力が素晴らしい。
イーストウッド、自分のポジショニングを客観視し理解できてるからこその立ち位置。じいさんのじいさんたるじいさんっぷりが堂には入っておりました。さすが。
「退屈なスピーチよりちょっとしたジョーク」
ところどころにいいフレーズが出てくるのは印象的。セリフがいい。
中西部一番のポークサンド、つまり世界一のポークサンドを食べて一言。
「もっとゆったり生きろよ。人生を楽しめ、俺みたいに」
仕事馬鹿で家族を顧みることのなかった男が口にするこの上ない皮肉。
「なんでも買えるのに、時間だけ買えなかった」
ネットでなんでも買える時代に、一番ささる一言だったな。結局、後悔しても時間は巻き戻らない。
結局、イーストウッド先生に、大事なものは何かね?と作品を通して訴えかけられたように思う。