『グラン・トリノ』で実質俳優引退宣言をしたイーストウッドが10年ぶりに俳優業に復活したこの作品
イーストウッド公開時88歳とかですよ、なのにこの映画でイーストウッドベッドシーン2回もあるんですけど!しかも二回とも両手に女性を抱いてるんですけど!
元気すぎます、ファンとしては喜ばしいですが
映画の最後にもある通り、この映画はメキシコからデトロイトまで麻薬を運んだおじいちゃんの実話がもとになった作品
『15時17分、パリ行き』で、あれだけ事実をそのままに映画に起こしたイーストウッドですから、これもかなり事実に沿っている。
ただ、事実は事実でもモデルの人物の人生半分自分の人生半分といったところなのでしょう。
実際主人公の娘役はイーストウッドの娘が演じているし、この映画宜しくイーストウッドの女性遍歴はとてつもないですから
そして描かれる主人公のアールはまさに「the 昭和の男」って感じの、仕事一筋で家族を顧みないような、そんで言葉の端々に差別表現がぽろっと出ちゃう、そんな90歳のおじいちゃん
そんなおじいちゃんだけど嫌悪感はあまりない
その理由としては、イーストウッドすんごい年取ったなぁ、、、というのがある
というのも、この映画では頻繁に歩くイーストウッドの足元にカメラが行くのだが、その歩みの様子がなんとも哀愁漂う、いつ死んでもおかしくねぇな、と思わせる
しかも過去の自分の行いのせいで、元妻、娘にはろくに口もきいてもらえない
そんなおじいちゃんが、運び屋の仕事で得たお金を家族のために使い、多くの時間を割くようになることで徐々に和解し始める
その時家族との時間を顧みないで外面麦価を気にしていた自分を初めて悔いるようになる、、、
というイーストウッド自身の後悔を見事な名作に仕上げたのがこの映画だと思います。