ぢん子

消えた16mmフィルムのぢん子のレビュー・感想・評価

消えた16mmフィルム(2018年製作の映画)
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シンガポールって何処にあるのか知らない。
90年代の自分が好むような映像が飛び込んできて、嬉々として観ていた。
そしたら、である。
アジア風味が強い、コラージュのような映像や写真が立て続けで、とてもワクワクしながら観ていた。
ら、当時、ブルーベルベットが自国で観られない環境で、どうにかこうにか鑑賞し、チューイングガムが禁止されている国というのを知った。でも、カチンコ鳴らしてた女の子がガム噛んでた。始めのコラージュの写真やミニシアター系的な映像から、何となくパンク精神なのだろうと思った。
もし、彼女たちが日本人だったら、蜷川実花さんやHIROMIX、果てはソフィア・コッポラと友達だったりしたんじゃないかと思うと、日本で窮屈だとか言ってるけど、贅沢な言い訳だな、と思った。彼女たちは、シンガポールで生まれたから、這い上がり、巧みに英語を話すんだな、とも思った。
ドン引きしたのが、シャーカーズ泥棒だ。想像以上に堪えた、というか腹が立って仕方がない。多分、訳も分からず忽然と消えたのを知った当時の彼女たちは、こんな心境だったんじゃないだろうか、と思う。
その泥棒したであろう「多分」の理由が、もう幼稚というか何というか。
腹立って仕様がない。
シャーカーズが世に出ていたら、日本でもミニシアターで盛り上がって、シンガポールでの映画事情も変わっただろうし、シャーカーズに影響を受けた映画人がハリウッドでも出てくるんじゃないだろうか、と強く思った。
いい意味で騙されたドキュメンタリーだったけど、猛烈に腹立つ。
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