anzu

ロリータのanzuのレビュー・感想・評価

ロリータ(1997年製作の映画)
3.8
キューブリックの"ロリータ"と続けて鑑賞し、こっちの方が好きだったので記録。
まずロリータと初めて出会うシーンが、衝撃だった。眩しいくらいに光が差し込んだ緑いっぱいの美しい庭、スプリンクラーの下で透けたシャツも気にせず寝転び、雑誌を読んでいる姿には、まるで盗み見をしてしまったような罪悪感とドキドキを同時に抱かせる。そして、この描写だけで、ロリータはとびっきりの美人ではなくとも、幼さと無邪気さと可愛らしさをギュッと詰め込んだような魅惑的な少女だと分かる。撮り方が本当に綺麗だと思った。
洋服の色合いやデザインはとっても可愛くて、髪型も幼さゆえに出来るようなものばかり、リボンいっぱいの頭にパジャマ姿で夜中に冷蔵庫の前に座り込んでいるシーンなんかも好きだった。
内容としては、主人公ハンバートの異常な愛情、執着心にはゾッとするようなものがある。そして、彼をここまで陥れるロリータの妖艶さにも狂気を感じる。彼女は一体何を考えているのだろう。と常に思いながら、ただの子供からどんどん大人びていくロリータに目が離せない。
ただの恋愛映画とは言えない、さまざまな感情にさせる作品だった。読みたい本が増えていきます。

少女に異常な愛情を抱く男性を描いた作品
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