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ふたつのカタルーニャのKSのレビュー・感想・評価

ふたつのカタルーニャ(2018年製作の映画)
4.0
スペインはカタルーニャで起こったいまも続く独立運動のドキュメンタリー。

民主主義国家において力(暴力)による弾圧が、分断を助長する行為であるかを丁寧に取材している。

それだけでなく、この問題がイギリスのEU離脱問題に通じる働いても貧困から抜け出せない格差問題が裏にあるのではないかなど、スペイン国内だけの問題ではない点も指摘されている。
その際に民族や国家という分かりやすい枠組みが、集団として団結や排斥を助長させるものとして機能する事など、民主主義を維持する上で越えてはいけない一線がどこにあるのか、何が重要なのかを問いかけてくる。

私の暮らしている日本と呼ばれる社会でも、米軍基地が沖縄に集中している問題について、日本政府は住民投票の結果を無視。全国的に貧困と格差の問題。癒着や疑惑ばかりが取り沙汰されるだけでなく、それに対して国会で説明せず答弁ではぐらかす内閣の態度。そんな中での法治国家としての基盤である三権分立が揺らぐ検事長定年延長問題が噴出。市民社会として、この問題にどう向き合っていけば良いのだろうか思った。

ヴィッセル神戸にサンペールやイニエスタなどが所属しているから、少し勉強のためにと思ってみたが、簡単には理解できない大きな問題を前にしたが、個人の人権をどう守っていくのかという一つの視点を持つことは問題を解決する上で重要なファクターかなと少し前向きになった。
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