yuki

薬の神じゃない!のyukiのレビュー・感想・評価

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)
4.9
画期的な傑作❗️

個人的には中国の見方が変化しました。
ひとりでも多くの方に観てほしい!ので
レビュー頑張ります💪✨
(パンフが販売されていないので💦Google先生フル活動です)

一言で表現すると…

●中国版「ダラス・バイヤーズクラブ」
「ダラス・バイヤーズクラブ」(こちらはHIVがテーマですが)とは以下の類似点があり、社会問題に真っ向から向き合っています。
・「未認可薬の密輸&販売」
・「患者コミュニティの形成」
・「権力・司法との対立」

吃驚したのは実話ベースであること

●ジェネリック医薬品密輸入事件(2014年(!)の陸勇事件)
白血病になった陸勇(男性)が、服用していた「グリベック」(スイスの製薬大手ノバルティスが開発)の薬価の高さに窮して、インドのジェネリック薬を個人輸入し服用。
その輸入薬により病気は改善したので、他の白血病患者のために善意でジェネリック薬を代理輸入したところ、偽薬販売などの容疑により湖南省公安当局で逮捕、起訴された事件。
 この事件によって、高額治療費による貧困問題などに世論の関心が集まり、陸勇には多くの釈放嘆願書が寄せられ、2015年になって起訴は取り消され、釈放された。

※今作では4万元で販売されているグリベックに対し、主人公はジェネリック薬を500元で提供していた。

●仰天の影響力❗️

[影響①]「現代社会」への問題提起
検閲大国・中国で、堂々、直球勝負での現代社会を描出。
作品の関係者は「いずれ上映中止になる」と覚悟していたらしいが、この特異性が功を奏し、18年の年間興行成績では第3位という快挙!

[影響②]首相も言及
公開当時、中国共産党ナンバー2・李克強首相の発言が以下。
「『薬の神じゃない!』は社会問題を提起し、社会を進歩させた。このような作品が、もっと製作されてほしい。病人にとって、時間は命。可能な限り供給不足の薬品にかかる税金を少なくし、海外の製薬会社との連携をさらに深く進めていくべき」
とし、抗がん剤の価格引き下げなどの措置を早期に実行するよう関係当局に指示。
(人民網日本語版・18年7月18日)

首相や国営テレビが、プロパガンダ映画以外に言及&報道する異例の事態に!

[影響③]中国人の“意識”変化による医療改革
上述の「陸勇事件」の顛末、そして「薬の神じゃない!」公開は、これまで薬品・医療制度に無関心だった人々でさえ、自ら情報を得て、薬品販売の現状、医療制度の不備に注目。
結果、治療薬が保険適用され、白血病患者の生存率が30%未満→80%にまで上昇!

今作のすばらしさをつたえてくれるのは…

●演技達者な役者陣
・主人公チョン・ヨンを演じたシュー・ジェン(徐崢)
第55回金馬奨(中国版アカデミー賞)では、主演男優賞を獲得。

・主人公に密輸を依頼した白血病患者を演じたワン・チュエンジュン(王伝君)
本作で、第14 回中国長春映画祭・最優秀助演男優賞を受賞。

・主人公の義弟の刑事役を演じたジョウ・イーウェイ(周一囲)
映画では、チャン・チェン主演の『ブレイド・マスター』(15)、歴史対策『建国大業』(17) に出演。

・金髪の不良少年の白血病患者を演じたチャン・ユー(章宇)
2017年、 映画『象は静かに座っている』のユー・チェン役で知られるようになり、本作『薬の神じゃない!』で、第55回金馬奨、第32回金鶏奨で助演男優賞にノミネート。

●監督・脚本ウェン・ムーイエ (文牧野)
2018年、『薬の神じゃない!』で長編デビュー作でありながら、第14回中国長春映画祭・ 最優秀若手脚本賞、第55回金馬奨・最優秀新人監督、最優秀オリジナル脚本賞、第32回金鶏奨・新人監督賞など数多くの賞を受賞し、中国でも大ヒットを記録。

【感想】
社会派でありながら、ところどころコミカルでもあり、ヒューマンでもあり、本当ならスコア満点にしたかった!
でも、どーしてもっ!!納得できない点が残り減点せざるをえなかった。
理由はネタバレになるので下記に追記します。。
yuki

yuki