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スパイネーション/自白のTOTのレビュー・感想・評価

スパイネーション/自白(2016年製作の映画)
3.6
‪自白強要、書類偽造、暴力。
3つの事件を追跡調査し、国家権力による40年に及ぶ北朝鮮スパイ捏造の歴史が明らかにされる。
拷問を受けて精神を病み、今は京都に住む被害者が、訪ねてきた旧友の顔も思い出せず、でもやがて堰を切ったように当時のことを語り出す姿が痛ましい。
‪『共犯者たち』『スパイネーション/自白』の監督は公営放送局MBCを不当解雇されたチェ・スンホ。
解雇後に非営利の独立メディア「ニュース打破」に加わって調査報道を続け、それが今回の2作の製作に繋がってる。
このニュース打破が市民の会費で運営されて、それが年間5億円というから驚き。‬
また、今作‪の3年に及ぶ調査報道を支えたのもニュース打破の会員たちで、公開にあたっても「国家情報院を変えよう」のスローガンのもと4,300万円の支援が集まり、14万人の観客動員に。
更には映画を観た文在寅ら大統領候補が国家情報院改革を公約に掲げたという、反響の大きさが凄いし、自国の不甲斐なさも思ってしまう(自分を含め)。
‪『共犯者たち』『スパイネーション/自白』の合同パンフレットは、人物相関図や年表、製作背景の説明に監督インタビューなどなど充実しており鑑賞のお供にオススメ。800円。‬
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