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燃ゆる大空のmhのレビュー・感想・評価

燃ゆる大空(1940年製作の映画)
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東宝製プロパガンダ映画。
民謡「故郷の空」が繰り返し使われて物語を盛り上げる。
ストーリーはあってないようなものだが、奇抜で面白いエピソードがいくつもあった。
兵たちの現金出納簿(おこづかい帳)を分隊長がチェック。あんパン二十個食うのはあまりにも多すぎるから、そういうときはせめて十個にするようにとか、なんの指導よ? 冗談に交えて、脱出した敵兵の落下傘を撃つことをさらっと白状してたりもする。
伝説的カメラマン宮島義勇の初期作品。そのせいもあってか空中戦の撮影がすごかった。煙を従えて空中を動き回る戦闘機や、機銃の弾が飛んでいくカットなど、まじすごい。
重爆撃機の中の様子は、ハワードホークスのプロパガンダ映画「空軍/エアフォース」より三年先んじているんだけど、こちらは重爆撃機の映画ではないためひとくさりだけ。かなりもったいないことしてる。
天皇陛下万歳を唱えて死んでいくなど笠原和夫の「大日本帝国」と同じことやってるが、こちらに他意はなく直球の戦意高揚だった。
プロパガンダ映画のなかでは面白いほう。
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