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燃ゆる大空のnori007のレビュー・感想・評価

燃ゆる大空(1940年製作の映画)
3.7
1940年公開で支那事変の戦いを描いた作品であるが、戦意高揚でもなんでもなくただただリアルな軍隊描写が描かれている。見どころはやはり現在では絶対不可能な実機を使っての撮影だろう。九七式戦闘機という隼が登場する以前の戦闘機であるけれど格闘戦にすぐれた名戦闘機であった。
日本機に多くあったオイル漏れ(燃料漏れ)による不時着や、敵を深追いしすぎて被弾などどちらかと言うと負のエピソードばかりが描かれている。

印象的なのは兵士たちの死生観である。それは武士道そのもので死ぬ時は潔く死ぬという現在の価値観では中々理解しづらいものだったりする。
しかしその一方、戦友同士の絆はとても強いもので、一本のタバコをまわして吸い、互いに歌を歌い合う。未帰還機が帰ってきたら基地の全員で向かい入れるなどなど、その男同士の友情は今風に言えばほぼBLである。
終盤でも死の淵にいる兵士が戦友にお願いするシーンがあるのだが、これまた驚きの願い事をする。。。。これは見てのお楽しみということで。
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