にしやん

ハッピー・デス・デイ 2Uのにしやんのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
3.8
タイムループによって自分が殺される誕生日を何度も繰り返すはめになった女子大生の姿を描いた、新機軸学園スラッシャー映画「ハッピー・デス・デー」の続編や。アメリカでは一作目から二作目まで2年掛かったのに対して、日本は一作目の公開がアメリカより2年遅れたさかい、結果として連続公開やな。うれしい限りや。

「ハッピー・デス・デイ 2U」の内容をあんまり詳しく書くんはやめとくわ。なんでかって、この続編は冒頭からネタバレアウトの「えーっ!?」ってびっくりする展開の連続やからな。しかも、一作目で回収されてへん伏線やとか、明かになってへん謎も今回で種明かしするっちゅう、一作目を完全に補完するタイプの続編やし。例えば、一作目では「なんでタイムループをすんのか?」という疑問は解決されてへんかったけど、今回はその謎にも一応ちゃんと答えとる。意味はよう分からんかったけど。また、一作目のマンネリにならへんように、新しい要素を加えてる点でも、そこそこちゃんとは考えて作られた続編やったんとちゃうかな。それとこれだけは絶対に言うとくけど、「ハッピー・デス・デイ」と「ハッピー・デス・デイ 2U」は順番にセットで観てほしいわ。くれぐれも先に「2U」を観んように。

冒頭のユニバーサルのロゴの遊びも忘れてへんな。一作目とは当然趣向を変えてこれから起こるストーリーをちゃんと示唆しとったわ。なかなかええやんか。

中身について大まかにだけ書くと、タイムループ+ホラーという基本構造をそのまま踏襲しつつ、その上にSF要素をプラスしたって感じやな。あと一作目はたぶんタイムループ映画の代表作「恋はデジャ・ブ」のオマージュやったと思うねんけど、二作目はなんと誰でも知ってるスピルバーグのあの傑作を思い浮かべてもたわ。実際、かなりのオマージュが仕込まれてたな。客には「またタイムループしてんな」と一作目と同じことやっているように最初は思わせといて、中身をSFもんに少しすり替えてるって感じやな。一作目のエエとこは上手いこと活かしつつも、反面壊しもしてて、二作目としてはまあまあの線なんとちゃうかな。新しい敵を作って、また同じくタイムループを繰り返すよりは全然エエと思たわ。

そうそう忘れたらあかん、本作には予想外の感動ドラマが用意されてたんはちょっとびっくりやったかな。わし不覚にもウルっときてしもたわ。なんで 「ハッピー・デス・デイ 」の続編観て泣かされんといかんねん?って、わしのほうが聞きたいくらいやわ。

さらに、ビッチの主人公の虐げられっぷりも相変わらずやったわ。でもこのビッチはほんま只者ではない。二作目ではすでに相当慣れたもんで、絶望からの立ち直りが一作目よりめっちゃ速い。そこはちょっとワロタかな。それと彼女の半ばヤケクソ気味の連続ギャグもなかなか飛ばしてて、泣かされて、ゲラゲラ笑てっちゅう訳の分からん映画体験になってしもたな。「これホラーかいな?」「ホラーどこ行ったんや?」「そもそも誕生日とかの必要性あんの?」って色々とツッコミはありそうやけど、まあ、ご愛嬌やっちゅうことかな。

それと、エンドロールが始まってすぐに席を立たんといてほしいということだけ言うとくわ。

ラストは明らかに続編があるような雰囲気を匂わせてたけど、アメリカでは二作目は一作目より相当興行成績落ちたって話みたいやし、微妙かもしれへんな。でも、ここまで来てんから、わしは三作目観たいな。あんまり期待せんと待ってるわ。
にしやん

にしやん