このレビューはネタバレを含みます
原作はとても素敵な作品でしたので、映画もと思い見ました。
高島明石という天才ではない演奏家が表現されている事で、才能に対して嫉妬しながらも自分が伝えたい音を求める感覚が、一般人の私にも理解しやすくて救いになりました。
映画では表現されていませんが、明石の演奏の後に演奏を聴いた妻が『あたしは音楽家の妻だ・・』と言ってくれるシーンが1番心に残っています。
3人の天才の共鳴というか、お互いを補い、引き出して、重なり合うような演奏がそれぞれ素晴らしい。
『彼女を使って誰かが弾いている』
蜜蜂と遠雷というタイトルは、蜜蜂のような人間が雷という絶対者の、その神の域にあるかのような音を弾く事を指しているのですかね?
ギターしか弾けない私ですが、ピアノがとても弾きたくなりました。
松岡茉優、この作品でもやっぱり上手い。最初の鏡の前の表情と、対比して描かれているようなラストシーンの演奏を終えた表情、この2つの表現だけ見ても、誰でもできる演技ではないと思います。