過去SNSに書いた感想をサルベージ。
観て「映像化不可能と思われた」って説明が腑に落ちた。
ボヘミアン・ラプソディ然り、時々こうして問答無用で劇場で心が振動する作品が現れる。
観るっていうより「感じる」映画。
ただすべて委ねて観るだけで、勝手にそこにある「音」が心を掴んで揺さぶり、理屈ではないところで強制的に動かしてくるやつ。
多分、この手の作品は、頭を使うのではなく、ただそこにいて感覚だけを開いて、何も考えずに五感の全てで「受け取る」だけでいい。
もちろん主軸の物語はあるけれど、苦悩も葛藤も、喜びも、全てを「音」が語ってくれる。
だからこそ、どうせなら音響の良いスクリーンで観て欲しいとも思う。
あと、個人的には主軸になるピアニストたちも良いけれど、私はなんだか、それぞれの形で彼らを見守る、斉藤由貴演じる大会委員長や、会場の支配人役の平田満の視線が好きだったな。
音楽を愛し、そして音楽を愛してる人達を愛してる。
音楽の神様のそんな視線が、彼らを通して伝わってくる気がした。