『のだめカンタービレ』は上野樹里が変人ぶりを発揮した作品だった。天才はエキセントリックだという。
ここに出てくる「選ばれし者」は(風間塵が近いが)それとは違う。コンクールによりお互いを刺激しあってより高みに達する者だ。
セリフは極力排し、音楽の量で圧倒する。
日本の映画はコンサートシーンや演奏シーンが苦手で、どこか空々しいのだが、これはどれも巧い。特にカット割りが凄いと思ったら編集も監督が自身でやっていた。
北野武しかり、キューブリックしかり、大事な作品の編集は他人には任せられないだろう。
熱演も、それを導いた演出もはまっている。
素直に感動できる2時間強だった。