Ren

蜜蜂と遠雷のRenのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.9
2019年44本目。

観た者全てがイヤな気持ちになる、世紀の胸糞映画にして傑作「愚行録」の石川慶の最新作。

いかにも映画的な決まりまくったカットの連続と、天才たちのスポ根ストーリーが綺麗にまとまっていて見事!好き!
「宮本から君へ」に続いて、本気で生きてる奴らの格好良さを再認識。
特に鹿賀丈史演じる世界的指揮者が登場する後半からは「セッション」感が加味され、緊張感が強まって最高。

キャスティングも見事で、松岡茉優や松坂桃李が上手いのは当たり前だけど、"俺はガンダムで行く!"でお馴染み森崎ウィンがめちゃくちゃ良くて嬉しい驚き。
とにかく良い奴なんや、マーくんは、、。
映画初出演の新人・鈴鹿央士の役へのハマりっぷりも恐ろしかった。
あと、ほっそい煙草吸う斉藤由貴がやたらと妖艶で無駄にエロい。

当たり前のことだけど、世界は"音"で溢れてる。まさしく彼女が世界を"鳴らした"ラストには鳥肌が立った。

ただ、どうしても登場人物ひとり一人のエピソードが説明不足、掘り下げ不足というか十分に語り切れておらず、この手の映画でこのクオリティなら、前・後編に分けても全然良かったのでは?!
(原作者のNG事項だったらしいけど)

鑑賞から時間が経ってじわじわ沁みてきた、良い映画。
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