KeiRalph

蜜蜂と遠雷のKeiRalphのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.8
原作未読。小説を知る人からは人物描写が足りないとのご意見多数ですが、私は違和感無く見る事が出来ました。

世界的なピアニストを輩出するコンクールの予選から決勝までの、主に4人の出場者の人生も合わせた物語。そうなら映画的演出として、足の引っ張り合いとか、プライドのぶつかり合いとかありそうなもんですが、皆んながとてもピュア。ひねた初老の私には眩しすぎる世界。

森崎ウィンも、松坂桃李も良いですが、広瀬すずご推薦との鈴鹿央士の演技なのか巣なのか分からない様な無邪気さ、オッさんの俺でも「かぁわいい…」と思わされましたよ!

なんでブルゾンちえみなのかは不明ですが、彼女演じるTVディレクターのインタビューに答える鈴鹿君、カメラワークも無く真正面から捉えるカットがまたピュアさを際立たせてて尚良し。

妻子持ちで、働きながらも最後のピアニストを目指す松坂桃李がいる事で、天才3人との日常と超常の対比を浮き彫りにする配置も良かった。

実は私の娘もこの春から高校の吹奏楽部に入部したんですが、小中と続けて来た演奏の自信を見事に高校で打ち砕かれ、自身喪失して休部し、学校にも行けなくなっております。なもんで、能力も背景も天と地の差はあれ、少なからず松岡茉優に共感する部分もあったりします。

本作を観て、少しでもブレイクスルーのきっかけになればなあ…
KeiRalph

KeiRalph