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ちいさな独裁者のbowzZのレビュー・感想・評価

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)
3.3
これが実話だとは驚き。ミルグラムの実験(『アイヒマンの後継者』などでも観れる)でも分かっていたように“人は権威(威厳)に服従するもの”だということで、この場合もまさに軍服と階級章の威光で皆まんまと信用したわけだ。
ただしそれだけだとやはりダメだったと思う。人物がその階級にあまりに不釣り合いとかだと、疑われるしその内ボロも出てくるだろう。そういう点、この彼はその階級の服が似合ったのだし、うまく立ち振る舞うことができたのだ。
それに戦争末期で混乱している時期で、ヒトラーも人前から姿をくらました時期だったというのもあるんだろう。
しかしその後のとった行動が良くない。犯罪者とはいえ同胞、それも恐らくは自分と同様の脱走兵たちを処刑したりなど、普通は良心の呵責などがあってできない。もともとそれを苦も無くやれる気質の持ち主だった、ということだな。戦中だと命も軽くなるのだろうし、感覚麻痺もしてくるのだろうけど、平時でもこういう人、信用できない人物だったと思うよ。
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