このレビューはネタバレを含みます
資産家の老人が死亡し、その遺産を狙って各々に事情を抱えた家族が対立、やがて現れた名探偵により事件の謎が明らかになるミステリー作品。
これでもかという古典的な設定と見せかけて、古典的な部分は中盤で解き明かされ、そこからは「犯人とされる」マルタの視点で展開するのが面白いです。ミステリーからサスペンスへ、そして全体を覆っていた謎が明かされるラストが気持ちいい。
また背景に見え隠れする、裕福な家族と移民の子という階級社会への皮肉も、わざとらしくないように、クセのある登場人物たちのユーモアなキャラクターによって描かれているので、とてもバランスよく観られました。
古典的なミステリーと現代的なテーマの両面で楽しめるミステリー作品でした。