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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密の821のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アガサ・クリスティーの小説のような王道ミステリー!ものすごく面白かった。

アクの強い個性派揃いの一家にたった1人の「嘘をつけない」雇われ看護師。殺人事件の夜には全員しっかりあるアリバイ、でも動機は十分。次第に明かされる真相、でもそこから発生するツイスト。途中はミスリードに完全に引き込まれて、追手から逃げるサスペンスの様相だったのに、すっかり騙されました。
ことの真相が明かされると、そこには正しい行いをしたからこそ生み出される悲劇があって、それこそ古典的なミステリー文学を感じた。そしてクリスエヴァンズが悪役を演じるのが最高に良かった。真相が明かされる時のあの目つき、悪すぎて最高。
ダニエル・クレイグの無骨な南部なまりも新鮮でよかった。

あと、クラシカルな雰囲気が満載なのに、「国境の壁」「引き離されてオリに入れられる子供」「アンカーベビー」など、今まさにアメリカで議論を巻き起こしているキーワードが出てきてるのも、皮肉が効いていると思いました。

映画の目線が名探偵ではなく、アナ・デ・アルマス演じる看護師なので、名探偵がちょっと鈍臭く見えたり、1歩1歩紐解いていく謎解き感は少し薄かったけど、逆にそこが新鮮だったり。
小学生の頃からミステリ小説読み漁ってた身としては、たまらない作品でした。本当にあらゆる方に楽しんでもらえる質の良い娯楽作だと思います。
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