ぐち

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のぐちのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『My hous, My rule, My coffee』

面白かった!
冒頭に出てきたマグカップと、バルコニーのマルタとその下にいるドライズデール一家の構図のラストシーンが特に痛快。
その時の空気感も劇的じゃなくて、どこか乾いてる感じなのも◎。たばこをふかして見上げるリンダがまた良い。
持てる者の無意識の差別意識や移民の話を絡めてくるのも上手いなぁ。

最初は強引な展開とか「なんでそれがわかった?」と思うような根拠の無い推理とか、早々に明かされる真相とか(倒叙ミステリにしては面白味が無いと思ってた)、大丈夫かなこれ、、と思ってたけど、最後にはちゃんとミステリとしての推理や根拠や伏線、どんでん返しがあって良かった。
まぁやや強引なところはあるんだけど、エンタメとして楽しめた。
推理に酔っちゃうブノワとかミステリオタクの巡査とか必死に真相を隠そうとするもどこか間抜けなマルタとか、小ネタも笑えたし。
最初の事情聴取シーンの編集も上手い。
家族のキャラは個性が強くて良いと思うんだけどもっとぶっ飛んでても良かったかな。期待したほどではなかったし、あまりキャラを生かしきれてなかったような。
マルタの『嘘をつくと吐いてしまう』性質の方がぶっ飛んでた笑。最初は なんだそのミステリの論理性を崩しそうな気をてらった設定は?と不安だったけど、こういうテンションの映画ならこれくらいぶっ飛んでて良いのかも。ちゃんと設定として大事に扱われてたし。

いろんな小ネタの伏線回収が地味だけど好きだった。
マグカップといい、「愚か者は小道具のナイフと本物のナイフの見分けもつかない」とか、「父はゲーム好きだった」とリンダが語っていたことが炙り出しの手紙に繋がったり、さり気なさが良い。

MCUでキャップを演じたクリエバがクソ野郎役だっていうのを聞いて、それ目当てにというか、出落ちかな?とワクワクして観に行ったんだけどまさか犯人にまでなってるとは笑
見たまんまのクソ野郎だった。
そういえば巡査だったか警部だったかが「人は大体の場合見た目通りだ」って言ってたね。この辺も上手い。
ぐち

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