このレビューはネタバレを含みます
ぶっちゃけあんまり期待してなかったが、予想をはるかに上回って面白かった。品がいい。アガサ・クリスティっぽい。
大富豪の死と遺言をめぐる金持ち一家の内輪揉め。ありがちな設定、ベタな展開だけど、それが安っぽさじゃなく正統派なイメージに繋がっていて、ハリウッドのオリジナル脚本でこんなに「古き良き」感があるのって貴重な気がする。
いまどき探偵が皆を集めてさてと言い的な演出があるのって、なんだかそれだけで嬉しくなっちゃうな。
フィルムっぽい、画面のざらついた感じが作品の印象を格上げしてる。
時代は現代？なんだよね？ 屋敷と言いファッションといい、途中それが分からなくなるくらい、印象は古めかしく大時代的。わたしは好き。
強いて言えば、2時間だと登場人物ひとりひとりを語るところまでは手が行き届いてなくて、キャラの個性は薄く感じてしまう。
が、プロットが王道だからこそその語り切れなかった部分もカバーしているというか、いい意味で「そういうもん」として観客が背景を補えるのかもしれない。
クリス・エヴァンス、根はクソだけどちょっと誠実そうな感じがズルい。
そしてダニクレはマジで瞳が美しい！ なんなんだろうか、宝石のようなあの透明感は？
