都部

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密の都部のレビュー・感想・評価

3.7
大富豪の死と腹に一物抱えた家族達、最有力容疑者にして嘘を吐くと嘔吐してしまう体質を持つワトスン役の主人公。
そして、そこに現れる誉れ高き名探偵。
華麗なる推理劇の舞台はかように整った!

シリアスとユーモアの調和が素晴らしく、また往年のミステリへのリスペクト垣間見得る話回しには満足です(特にアガサかな)。半ば叙述形式のミステリかと思いきや、二転三転と事態が急展していくのは非常にスリリングでしたし、アメリカ社会の移民差別問題を極めてクールに物語に落とし込んでるあたり感心しましたね。
翻ってストーリー自体は前述したように王道ミステリに沿ったそれなので、意外性を求めすぎるような内容ではなかったかなと(動機もシンプルなそれで、その辺で落胆してる人も多そう)。奇を衒ってるようで素直な作りなのでミステリ映画入門には丁度いいかもしれませんね。このくらいの匙加減が自分にとっちゃ丁度良かったです。
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