眩しくてしょうがないドキュメンタリー映画。
常に何かを発信するとき、Weという一人称を使っていたメゾンマルタンマルジェラ。
そこには、必然的にWeを使い始め、必然的にWeが瓦解するという印象を受けた。
「白はその人を映し出すスクリーンだ」
ジェニー(元共同経営者)のインタビュー中、スクリーンに字幕を載せて映る"白"が妙に眩しい。
他の映像から一転して真っ白になるため、目がチカチカしてたまらないのだ。
しかし、マルタン・マルジェラという人物にとってジェニーはスクリーンであったと考えると、あの眩しさはこの映画自体を表していたのかもしれなく思える。
そのため目がどれだけきつくなっても、"白"を映したスクリーンにはかなり魅了された。
迫力のある作品は「映画館で観るべき作品」とよく言われるが、そういう視点で言うならば、この『We Margiela』は家で観てもいい作品に分類されるだろう。
だが、白いスクリーンの上で観る必要のある今作は、絶対に映画館で観るべき作品であるよう、僕には思えた。
(まぁ映画は全て映画館で観るべきだと思いますがね)