かっこ

僕たちは希望という名の列車に乗ったのかっこのレビュー・感想・評価

4.0
東西冷戦の最中、ふとした正義感からの行動のために
国家に目をつけられてしまった学生たちの苦悩と決断を描く。
学生たちの心情が伝わってくると、狂いそうになるほど心が揺さぶられた。

ソ連の反革命分子に対する冷徹さは色々な作品で描かれたとおり。
学生たちへの追及がどんどんエスカレートする様にはやっぱり恐怖と憤りを感じる。
でも、この映画の肝はソ連こわ〜〜〜じゃなくて、若くて未だ純粋な青年たちが何を信じるか、貫くのか迫られて揺れ動く様だと思う。
大人になってしまった自分は、序盤から「信念なんていいから誤魔化せよ!」とそわそわしてしたけど、
段々と学生たちの若さ、純粋な正義感、友情、反骨心、ときには嫉妬、等々が伝わってきて、
要所要所で判断を迫られる場面には自分も学生たちと一緒に心がグチャグチャになって震えてしまった。頭おかしなるで。
そうなってくると、若い学生たちを脅して、一生の傷になる嘘、裏切りを迫る国家に対する怖さ、憤りも身に沁みてくる。
対峙する学生たちの正義感、反骨心、心の強さ、そしてなにより友情の深さには感動するばかり。
そして、なんだかんだありながらも最期は子供たちの決断を黙って見守る親の決断。これが1番泣けた。
自由の重さや友情、勇気、家族愛ががっつり染みてきて、単なる歴史ものでは全くなかったな。

何度も何度もキーパーソンとして利用され翻弄されるエリックの心情を思うとこっちの心もぐちゃぐちゃ。
若さゆえとはいいつつ、みんなの人生を大きく転換させたクルトの責任は重いよね、これ。
かっこ

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