鮃サブロウ太

僕たちは希望という名の列車に乗ったの鮃サブロウ太のレビュー・感想・評価

4.7
ストーリーの展開に少しも無理がなく役者陣の演技は手堅く、どの場面を切り取ってもムラのない中身の詰まった映画だった。
敢えて言えば隙のない優等生的つくりにあと少しの感情の迸りがあれば…と思わないでもなかったけれど、それは贅沢というもの。
ムードやノリでやり過ごすシーンは皆無、エンドロールが流れはじめるまで息切れしないその構築力に思わず唸ってしまった。
そういう作品だからこそ1:45:38~のテオの弟の「またね 、あとでね」という無邪気なセリフが心に沁みるのだと思う。
変な撮影効果を狙ったカットも勿体ぶったセリフもなく、誰が観てもどういうことが起きているのかが分かる映画、それでいて満足感を与えてくれる映画。とても良かった。