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ラ・ヨローナ~泣く女~のmのレビュー・感想・評価

ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)
4.7
またまたやって来た「死霊館」スピンオフ。ただし今回のマイケル・シャヴェス監督は、これが初長編監督ながら今作をキッカケに「死霊館3」の監督に抜擢された人。ジェームズ・ワンに後継者に選ばれる程信頼されるという事は腕のある人だろうと思ったら、これは確かに納得の力量だった。

ホラー演出は本当に見事で、ジェームズ・ワンに匹敵するレベル。上手く注意を逸らして予想と真逆の方向から霊がやってくる演出、静かなふとした瞬間に思いがけず見えてしまう(ビニール傘は秀逸!)演出、お馴染みのビックリ演出、と手数も豊富。
ホラーが巧いという事はすなわち演出の腕がある優れた監督という事なので、この監督もゆくゆくはDC映画とかに進出してほしい。

展開の為に登場人物が馬鹿な言動をしたりと脚本でしくじる部分が結構あるのだけど、その問題点も演出でなんとかリカバリーして突き進む。



お馴染み霊媒物理バトルの土壇場で静寂と共に霊にとってのエモーショナルな瞬間を差し込んでくるセンスと度胸は驚いたし、あそこでああいう瞬間を作れる監督はなかなかいない。
ジェームズ・ワン関係のホラーでは定番の物理的決着のケレン味もお見事です。




今回の霊媒師は「ブレイキング・バッド」のあのトゥコ(タイ!タイタイ!の人)役の俳優さんで、あの時とは真逆の静かで微かにユーモラスな人間を好演。この人が絶妙に頼りになりそうでならなさそうにも思える微妙な塩梅なのがまたスリリングだった。いつものキリスト教と少し違ってメキシコ式のお祓いなのも新鮮。

「アベンジャーズ」シリーズに「ハンターキラー」「シンプル・フェイバー」と最近よく見る“ホークアイの妻”ことリンダ・カーデリーニも熱演。この人こんなに綺麗な人だったのね、という事にも気付いた。
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