ホリグチ

象は静かに座っているのホリグチのレビュー・感想・評価

象は静かに座っている(2018年製作の映画)
4.5
苦しくて、苦しくて、苦しくて、どうして誰も助けてくれないのか。そんな悲痛な叫びを、これほどまでの静けさで描いてしまうのか。
この静けさは世界のリアルである。誰もが他者と共有しない自己愛と無関心に支配された恐ろしい世界を表現し、ひと昔前の反逆精神のあった若者像とは異なり、呆然と立ち尽くすしかない。
ドーキンスが喝破した「神は存在しない」時代から、ハラリの言う、経済やテクノロジーが神となる時代。新しい宗教の無慈悲が世界を覆いつくしている。
ホリグチ

ホリグチ