たーぼーん

象は静かに座っているのたーぼーんのレビュー・感想・評価

象は静かに座っている(2018年製作の映画)
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そもそも僕らはここのところ、長回し多用の長尺な映画を観過ぎて麻痺してしまっていて、こういう作品を適切に受け止め辛くなっているのではないだろうか。
話の中の出来事自体は決して珍しくもなくて、これが日本の映画であっても何の違和感もないし、どこかで見た事ありそうなエピソードである。
ただ、とにかく観ていくうちにこちらが酷く傷付けられそうな、何とも危うい心持ちにさせ続けられる。
234分でありながら僅か1日の内に終わるが、登場人物達はそれまでの日常を捨てて、暗くなった頃には遠距離で未知の場所に行ってしまう。
思いがけず不測の事態だが、彼ら彼女らの顛末は本編中には具体的には明らかにされないにもかかわらず、いずれこうなる運命だったのかなと、そんな風に思わされるのは何故だろう。