こたつむり

ラブ&ドラッグのこたつむりのレビュー・感想・評価

ラブ&ドラッグ(2010年製作の映画)
4.0
★ 満たされない想いの向こう側にある原風景

「アン・ハサウェイのヌードが拝める」
そんな情報を耳にし、鼻息荒く下心満載で鑑賞しましたが…なにこれ、溢れんばかりの“愛”の物語じゃあないですか。予想していなかった“純粋さ”に思わず涙腺崩壊ですよ。

何よりも主演の存在感が抜群でした。
ジェイク・ギレンホールの優しさを感じさせる視線。「狙い過ぎ」と言われそうな“ギリシア文字のω”を連想させる口元。“遊び人”なのに嫌味がなく、爽やかで素敵な役柄でした。

また、アン・ハサウェイも。
ぶっちゃけた話、彼女の美貌はギリギリのバランスの上で成り立っていますからね。魅力的に見せるためには、感情表現の映し方が重要なのですが、本作ではとても見事な形で描かれていたと思います。

勿論、事前情報どおりにヌードも…。
あ。でも。それが本作の主眼ではないですよ。先にも書きましたように、溢れんばかりの愛の物語ですからね。不純な目線はイケマセン。

ただ、冷静に考えてみると。
脚本の文法はよく言えば王道、悪く言えば“古臭い”です。20世紀末の物語なので、その頃の作品だと思っていたら…劇場公開は2010年。そう考えると、ちょっと凡庸な気もしますね。恋愛ドラマ(月9)に慣れ親しんだ諸先輩方だと物足りなく感じるかもしれません。

しかし、王道は不変ゆえに王道。
いつの時代も“人を真正面から受け止め、真心をもって接する優しさ”は、じんわりと胸に沁みるものなのデス。しかも、僕にとっては久々の恋愛ドラマでしたからね。きれいさっぱりと心が洗われた気分デス。

あと、個人的にポイントが高かったのが主人公の《弟》。本作のコミカルな部分を一手に担っていました。やはり、笑えるって素敵なことですね。“笑顔”を大切にする作品にハズレ無し…だと思いましたよ。

まあ、そんなわけで。
主演の二人(+弟)を楽しむ作品。
ベッドシーン(R-15)が多いので、お子様がいらっしゃる家庭は要注意。夜遅く寝静まってからの鑑賞をオススメします。
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