『「愛してる」って、誰かに言ったことある？』
あらすじは読んでいたけど、ジャケットから見るにもっと軽めの映画だと思ってた。
実際入り口は、主人公のジェイミー(ジェイク・ギレンホール)はそのプレイボーイっぷりとトーク力で電気屋さんでバリバリ売上を出していたんだけど、同僚女性(店長の女)とアッハンしてるのがバレてクビになる、というエロコメディタッチなスタートを切る。
そのあと、大手製薬会社の営業マンになってバリバリ成り上がってやるぜ！！って時に若年性のパーキンソン病患者として病院に来ていたマギー(アン・ハサウェイ)と出逢い、彼女のおっぱいを見て(ラッキースケベ)、その後ぶん殴られて、ジェイミーは彼女にアタックをかけてあっという間にSEXまでいってしまう。
でもマギーは「終わったら帰って」って感じでセフレとしてしか彼を扱わない。頑なに近付けようとしない。自分が病気だから。
ただ何もかも忘れて快楽に浸りたいだけ、あなたもでしょう？と。
そんなマギーにジェイミーは夢中になって、口説き落として、そこからが良かった。
アン・ハサウェイはほんとお人形だってこんなに目でかくないだろうってくらい大きなタレ目で、唇も大きくて、顔から溢れそうなのに溢れないギリギリのラインでとても美しいと思った。
完璧じゃないのに完成されているお顔。
クリンクリンのウェーブヘアもかわいい。
ジェイク・ギレンホールは容姿は全然タイプじゃないのに、彼の表情から目が離せなかった。いつもそうだ。ズバ抜けて演技力があり、魅力的だからだろう。
いつもジェイクが大変な目に合う映画しか観てなかったので笑、
真っ当に人を愛し愛される彼を見られて嬉しかった。
パーキンソン病のことは名前しかよく知らなかったけど、調べてみたら日本でも難病指定されていて、特効薬のない病気だ。
この作品の中でのマギーはまだステージ1だったけど、手が震えて日常生活にも支障があるように見えた。
これが進んでいくと、自分で起き上がることも困難になり、抑うつなども併発され、当然要介護まるで別人になってしまうとのこと。
マギーが、そんなに手が震えるのに一人暮らしの家はオシャンティで片付いていて、メイクもファッションもバッチリかわいい☆なのはツッコミどころであったけど、これは病気の映画じゃないのだ。
あくまでジェイミーとマギー二人のラブストーリー。
その壁となったのが病気だっただけ。
おまけにノンフィクション小説作品が原作というから驚きだ。
一度別れた後の、最後のほうがすっごくすっごく良かったからぜひ観てほしい。男女関係なく、生きづらさを感じたことがある人には響くはずだ。
今もまだ連載してるかはわからないけど、一時期熟練AV男優の方が恋愛相談を受けるネットコラムを読んでいた。
その中で彼は、
「愛とは、その瞬間にのみ存在するもの」と言っていた。
(ちょっとソース探すのめんどくて読み返してないので、間違ってたらごめんなさい)
ハメ撮りなんてハレンチなことした映像も含まれているテープの中で、マギーは
「今が幸せ。この瞬間がもう二度と来なくてもいい。今が幸せ。」と言っていた。
永遠を誓うのも、その瞬間の愛から来るものだ。結果はどうあれ。
恋人同士や夫婦の関係ってそれの継続・連続だと思うのだ。
「I love you.」「I need you.」なんてラブソングで一番使われる言葉だ。でもその言葉の重み、心からそう思って相手へ伝える時の、思っている相手から言われた時の世界の輝きはいかなるものだろうかと思いを馳せた。
彼らのこれからを考えると決して手放しでハッピー！とは言えないだろうと想像させられる。
それでも、ジェイミーの決断と言葉を聞いて、優しい歌声が流れるエンディングを見ながら私の目には涙が溜まって、次から次へと溢れたのでした。
