DJりん

ラブ&ドラッグのDJりんのレビュー・感想・評価

ラブ&ドラッグ(2010年製作の映画)
4.3
私が知る中で洋画ラブコメTOP3に入る作品。
まず私は今作を見るのはもう3度目なのだが結末が分かっていても感動しちゃうし分かっている分途中の経過が愛おしくてちょっと涙が滲んでしまうといった風に所々に心が暖かくなる様なシーンが散りばめられている今作の演出や役者達の演技がただただ素晴らしいなと感じた。
やっぱり最初はジェイミーはマギーがかなりタイプで可愛いと思ったのに加えて何よりめっちゃヤりたかったから結構面倒なやり取りをしてでも彼女の連絡先が欲しかった。
そしてマギーもジェイミーの純粋にヤりたいという気持ちに気付きこの人なら後腐れないかみたいな感じで関係を持った。
この段階ではただのありふれたワンナイトの関係というのは誰がどう見ても明らかだと思う。
でも次第に体だけのやり取りの中にも相手の本質や隠している想い等が少しずつ分かる様になってくる。
そうなってしまえばそれに気付かないフリをするのは難しいし、何より気付かないフリをしようとする気持ちが生まれている時点で自分の中に相手に惹かれ始めているという気持ちが芽生えている何よりの証拠だからマギーはジェイミーとの関係を切ろうとした。
このシーンだけを見てもやっぱりマギーは怖かったんだろうなと思う。
今作の様に病気の有無に関わらず本当の自分を相手に見せるのは誰だって怖い。
ましてやマギーの様に過去に病気が原因で本当の自分を受け入れて貰えず恋が駄目になった経験があるのなら尚更だと思う。
でもジェイミーの真っ直ぐな心が、想いが閉ざしてしまっていたマギーの心を開いた。
けれど大切な存在が出来ればそれと同時に失う恐怖も抱くことになる。
それに相手が自分にとって大切な存在になればなる程傷つけたくないから、相手を思いやるあまり自分の本心を言えなくなってしまうことだってあるはず。。
だからこそ見ていてとても苦しくなるシーンがあったし、何でそこでそう言っちゃうの😓と思わずにはいられないシーンもあった。
加えて普通のカップルでもこんなことが起こるのにマギーの様に治ることのない難病を抱えているカップルなら尚更なはず…
マギーの為に少しでも病気を良くしたいと願うジェイミーといつ完全に動けなくなってしまうか分からないのだから二度と味わえない「今」を大切にしたいと願うマギー。
お互いに相手を大切に思っているということに変わりはないのにすれ違ってしまう心の描写がとてもリアルで少し苦しかった。
でも最後はジェイミーはマギーの抱いていた本当の思いに気付き、ジェイミー自身も二度と味わえない「今」をマギーと一緒に存分に味わうことが2人にとっての本当の幸せの形なのだと気付く。
もう見るのは3回目にも関わらず毎度毎度このラストシーンにはウルッとさせられてしまうのだから参ってしまう笑
何度見ても感動してしまうラストシーンも素晴らしいのだが私はこのラストの後のちょっとしたオマケの様な語りシーンが一番好きだ。
「何千人と出会ってもただそれだけで、なのにたった1人との出会いで人生が変わる。永遠に。」
このセリフが大好きだし、決して明るいとは言えない2人の未来であるにも関わらず「今」を幸せそうに存分に味わっている2人の姿がとても愛おしいと思えるからだ。
上でも書いたが私が知る中で洋画ラブコメTOP3に入る素晴らしい作品なのでラブコメが好きだという全ての方にお勧めしたい作品だった。
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