社会のダストダス

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

2.9
恐竜と丘で追いかけっこする映画はそろそろネタが限界かもしれないので、スピンオフでジェイソン・ステイサムがモササウルスと肉弾戦するバカなサメ映画を作って欲しい。

IMAXでは観たかったのだけど、3Dで2時間半は正直しんどかった。迫力はあるものの恐竜の出てくるシーンがどれもファイト一発のリポビタンDのCM状態なので、そんなシーンを2,3回観たら十分になってしまう。『ソー・ラブ&サンダ―』も3Dで観なければもうちょい集中して観れた気がするので、たぶん自分には相性が悪いのだろう。

文句を言いたいほどつまらなくもないけど、語りたいほどいい部分も覚えていないという、レビューを書きづらい作品だった。良かった部分は言うまでもなくCGの恐竜とイナゴの造形だけど、今のハリウッドのビッグバジェット作品なら水準レベルといったところか。『ジュラシック・パーク』の頃にはいなかった羽毛のはえた恐竜とかの登場は恐竜研究の進歩を感じさせて良かった。

スピルバーグ関連の作品でいえば『ジョーズ』や『未知との遭遇』や『レイダース』も多くの類似作品を生み出してる。恐竜映画ってあるにはあるけど、長らく本シリーズの独占市場だったと思う。高度なCGやアニマトロニクスの敷居が高いのが要因だろうけど、ライバル不在の状態が続くのも、マンネリ化が進んでしまうということなのかも。ゴジラがガメラやウルトラマンの登場で転換期を迎えたように、ジュラシック・シリーズにも刺激や影響を与えるような強敵がいなかったことが惜しまれる。

基本的に恐竜のいる島に行って、何かアクシデントが起こって、逃げ回るというのがシリーズのテンプレートなので、恐竜が世界に放たれたことによるパニックが描かれるのかと思って期待していたけど、冒頭で大型恐竜はほぼ回収されたということが説明され、一番観たかった部分がすでに終了していたことが一番残念だった。それをどうするのかが気になっていたのに。

過去作にはあったエグみのあるシーンも今回は無かった、キックボードを漕いでるモブが上からパクっといかれた場面だけは凄い好きだが。メインキャストの大半をシリーズキャラクターが占めるので、無様な死に方をしないのは最初から分かりきっている。役目を終えた悪役が事務的に食事になるだけなので、鑑賞者心理的には死んでも構わない奴しか死なないある意味安心設計。パーク1作目のトイレのおじさんみたいなシーンが一つは欲しかった。

一番文句を言いたいのはモササウルスちゃんの出番が予告編でも使われたあの1カットだけだったことです。いやでもモササウルスちゃんは、まだ海のどこかを彷徨っているし、今回ほとんど触れなかったのは主役のスピンオフを作るための布石だと信じています。その日が来るまで何年かかるか分からないし、何隻の漁船を襲うか分からないけど信じて待ちます。文句を言いたいわけじゃないとか書いときながらけっこう文句が多くなった気がするけど、とりあえず30年間お疲れさまでした。

レーザーポインターを相手に合わせることが出来るなら、直接銃でぶっ殺したほうが早いと思うのは野暮な疑問なのだろうか。