蛇らい

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者の蛇らいのレビュー・感想・評価

2.2
ジュラシックシリーズを今後も作り続けるならば、一作目を延々とリブートし続けるしかもう道はないかもしれない。オリジンの何に感動していたか立ち返れば答えはシンプルで、恐竜と人類のファーストコンタクト、これに尽きる。

例えばパンデミックをテーマに映画化するときに、人類にとって初めての脅威とどう対峙するかの一作目ならではの瞬発力にすべてがかかっている。二作目以降に変異株の話で繋げられても、テンションがダダ下がるのは当たり前ではないか。スピルバーグでさえ手を焼いたジュラシックシリーズの続編企画に、トレボロウクラスの監督が手に負えるわけがない。

恐竜のみが推進力であったシリーズで、オリジナルキャスト、クローン人間、ビッグイナゴで物語は引っ張って行くのは難しすぎる。逆に考えれば、恐竜の初登場以外に手持ちの武器がない状態で三作目まで持ち堪えてはないが、健闘したのかもしれない。

オリジナルの重要な要素であるスピルバーグのアトラクション性とアドベンチャー性は、ロケーション含め担保されていた。アクションに関しては、中盤の飛行機にバイクで飛び乗るシークエンスが劇中1番の盛り上がりで、それ以降は過去に観た覚えのあるようなシーンの反復。オリジナルシリーズとほぼ同じキャラ配置と構成で始めたことが映画的に失敗した要因だと言える。
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