ニクガタナ

ウエスト・サイド・ストーリーのニクガタナのレビュー・感想・評価

3.6
ずっと公開を楽しみにしてた本作。アカデミー作品賞獲ってる1961年版は観てない。50年代ニューヨーク再開発地区の再現度がハンパないロケとセットが素晴らしく、影の描写が際立つヤヌス・カミンスキーの撮影が圧倒的に上手い。街の影が動くエンドロールまでこまごま美しく気が利いている。スピルバーグらしい手抜きのない仕事に感心。「アメリカ」や「トゥナイト」など名曲ばかりの歌曲と活き活きとしたダンスに魅せられ、観終えると無性に踊りたくなる。踊れないけどね。指さえ鳴らせないけどね。元々ミュージカルは若干苦手なこともあり、心情表して踊る分には良いんだけど、銃の奪い合いみたいなのが踊りになるとなんかなぁ、滑稽だなぁって感じてしまう。ヒロイン マリアを演じたレイチェル・ゼグラーは歌が上手く可愛い。白いドレスも似合ってる。デパート清掃の夜勤中、恋にのぼせて歌い踊るシーンが好き。彼女が愛するトニー役のアンセル・エルゴートはそんな一目惚れするほど美青年には見えないし、歌もそこそこ。近所迷惑な感じで歌う「マリア」小さな声で歌えば祈りにね、上手いこと言うね。ジェッツのリーダーにイライラ。全部お前のせいだからな!と私は言いたい。そしてジェッツに対抗するプエルトリコ移民のシャークスに入れてもらえない真面目なチノがいろいろ不憫。オリジナルはジェッツとシャークスの翻訳がジェット団とシャーク団ってぷぷー、ポケモン?本作が素晴らしいのであえて観なくても良いかなと。
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