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ウエスト・サイド・ストーリーのこのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

元々ミュージカル映画がそこまで得意じゃないからか、物語のテンポがかなり悪いように感じていまいち内容がしっかり入ってこなかった。

史実上のアメリカにおけるヨーロッパ系とプエルトリコ系の対立を知らなかったし、移民という存在が勢力を拡大している時代背景には驚いた。

ウエストサイド版ロミオとジュリエットといえば合点がいくかもしれないが、それにしてもやりきれないフィナーレ。人を傷つけないための嘘が最悪の形で幕を閉じる。

明るいミュージカルの舞台であるのに反して差別問題によって繰り返される復讐劇が題材であったのは明暗分かれていてリアルだった。生まれながらにして刷り込まれる人種の優劣という腐った固定観念がより国家を腐敗させるのだと恐ろしく感じた。

兄を殺したトニーを一瞬で受け入れたのは違和感しか感じなかったし、2人の愛の再構築にもう少し時間を費やすべきだったような気はする。

トニーの亡骸をプエルトリコの人間達も運んだのは、和解への兆しだろうか。
スピルバーグらしからぬ作品だったような気がする。
こ