きよぼん

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのきよぼんのレビュー・感想・評価

5.0
フォーゴトンレルムが舞台ですぜ!D&Dファンの皆さん!

ダンジョンズ&ドラゴンズというRPGの元祖のタイトルを冠するだけあって、あの代表的なキャンペーンの世界が映画化されているのがうれしい。

最初に表示される全体地図のカット、「バルダーズゲートまでは船で行こう」という酒場での相談、目指すはネヴァーウインター。ファンは萌えるしかない。・・・そういう自分も実はしったかであまり詳しくない。多分、観る人がみれば、キャンペーンの世界が生かされた、楽しめる箇所がたくさんあるんだろうけど、知識不足は損だよねえ。というか、それをフォローするのがパンフレットの役目なんだけど、作ってないとかもったいない。こんな作品こそ読みたいのに。

盗賊のエドガン(クリスパイン)は自分の娘を取り戻すために、仲間を集めて冒険に出る。女戦士、落ちこぼれウィザード、人間嫌いのティーフリングが加わってのドタバタの旅。裏切り者の詐欺師・フォージのヒュー・グラントのユーモアある悪党ぶりもよし。この軽妙な展開に引き込まれる。

パンフレットの説明がないので、またもや自分の知ったか知識でいうけれど、ラノベやコミックはともかく実写のファンタジーでこういった軽妙さがある作品って珍しいのではないか。

実写ものファンタジーって「ゲーム・オブ・スローンズ」みたいな重厚なテイストが人気でメインストリーム。他の人のレビューをみても、「スペースオペラみたい」「ガーディアンズオブザギャラクシーのような」と、他のジャンルに例えてることが多く、ファンタジー作品のタイトルが出てこないのもそのせいだろう。

「実写ファンタジーは重厚であらねばならない」という現状の概念を突き崩し、新たな可能性を開いた映画ではないか。それは、みんなでワイワイ会話するのが楽しいんだ、という原作のD&Dというゲームが持っているテーブルトークロールプレイングの原点の魅力に通じるポイントだった。どこまでそのポイントを制作者が意識したかわからないけど、D&Dというタイトルをつけるのにふさわしい作品。
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