かなり評価は低いらしいが、数ある名作ミュージカルの中で、なぜ最も映画化に向かないキャッツを映画化しようとしたのか、そこが全ての敗因だと思う。
そもそも、キャッツという舞台ミュージカルは、「様々なキャラの猫が自分を紹介する曲を披露し、その中から天上に昇れる唯一のジェリクルキャッツが選ばれる」という、「あくまでも多彩な楽曲を楽しむショー形式のオムニバス作品」です。
(原作も1匹ずつの猫の詩を集めた詩集だし、ストーリーはない)
他に筋書きのしっかりしたミュージカルはいくらでもあるのに、なんでやねん!
まずはここら辺を踏まえて観てないと、そりゃあ、大抵の人にはなんじゃこりゃで終わってしまうよね。
だって、ストーリーは「唯一の猫を選ぶ、それだけだもの。
そこを繋ぐために、捨てられた子猫を主軸にして舞台版をアレンジしたんだろうけど、無理に繋げてしまったぶん、かえってストーリーの薄さが半端に浮き出て、「で、これは何の映画なの」ってなった人が多いんだろう。
キャッツ自体は、アンドリュー・ロイド・ウェバーの作曲家としての多才さを楽しむととても楽しい作品なのだけど、そこは後回しになっちゃうから、いちミュージカルファンとしては、「なんて勿体ないことを…」と思ってしまうなあ。
というか、ハッキリいって、本来のミュージカル作品への冒涜です。
ラズベリー賞は致し方ない。
ブロードウェイならそこそこゴージャスなキャストを使っているのに、ザンネンすぎる…勿体ない…
ロイド・ウェバー氏にもキャストにも同情するわ…
あと、あのCGね。
舞台なら猫タイツで、まあそんなものって思いながらシンプルに曲やダンスを楽しめるのに、下手にCGで耳とかしっぽがピクピク動くのは、かえって不気味で、余計でしかないです。
個人的には「キャッツ」というミュージカル作品自体は好きなので、やはりこれに関しては、この映画よりも、普通に舞台や、舞台版のDVD観てもらいたいです!
どうやったって、こんなに酷くならないから…笑