公開前から海外では批判の嵐。”新手のポルノ”だとか“忍耐力テスト”だとか、まるでレビューサイトが大喜利の場のようになっていてさすがに作品が可哀想だと思い、自分は自分のものさしで、周りに流されずにしっかりこの作品を評価しようと思っていました。
そう、思っていました…
何ということでしょう、そんな思いを軽く吹き飛ばすほどにつまらなかった。
そもそも、これを“映画”だと思うことはできなかった。まるでミュージックビデオの繋ぎ合わせのようで、ストーリーテリングは皆無に等しい。本当に演劇をそのまま映画にしたんだなあという感じ。カメラ目線でセリフを述べるラストシーンなんて完全に演劇で客席に語りかける演者。
もちろん良い曲は何曲かあったのだが、その曲がどうストーリーと結びついているのか、キャラクターの背景や感情とどう繋がっているのかがわからなくて心に響いてこなかった。
この作品を通してトム・フーパーはいったい何を伝えたかったのだろうか…