ヨーク

キャッツのヨークのレビュー・感想・評価

キャッツ(2019年製作の映画)
3.7
名作の誉れ高いミュージカル版は未見でざっくりとしたストーリーの概要すら知らないままで観ました。何か凄い不評だということは知ってたんですけどね。
で、まぁどうだったのかというと結構面白かった。めちゃくちゃ面白かったとまではいわないが、まぁこれだけ面白い映画ならお金払ってスクリーンで観ても損はないんじゃないの、というくらいには面白かった。少なくともチケット代と時間を返せと思うほどではなかったですね。
良かった点は何はともあれ音楽とダンス。これだけレベルの高い音楽とダンスを見せられたらそれだけで楽しいし見せものとしての価値は十分にあると思うんですよね。ミュージカル映画なのだからその2点が良いのならばもう名作認定してもいいんじゃないだろうかと思うんだがどうなのだろう。多分、というか間違いなく不評な部分はそこではないのだと思うが。
しかし文句を言う前に言っておくと出演者たちの歌も踊りも本当に素晴らしいんですよ。さらに言えばこれは舞台版からそうなんだろうけれど楽曲の良さも言うまでもなく素晴らしい。ぶっちゃけストーリーは何かあんまりピンと来ないところもあったけれど、でも寓話的で実感としての掴みどころはなくとも何となくノリで分かるところはある。まぁ正直に言うと体調悪くてウトウトしながら観ていたから俺が物語を理解していないだけかもしれないが。ともかく、緻密に組み上げられた整った構成の映画というよりも何か見世物のショー的な映画として面白かったんですよね、俺にとっては。
それでいいんじゃないのと思いますよ。映画なんて2時間前後の見世物小屋だろう。何か変な出し物やってるから覗いてみようか、というくらいの感じで観るには本作はいい映画だと思うんですよね。多分本作が一番不評を買ってるのは見た目がキモイとかそんなところなんだろうと思うんですけど、まぁ確かに俺もわざわざCGで猫人間的なビジュアルにする意味は分からなかった。どうせCGにするんだったら仮面ライダーとかプリキュアみたいにダイナミックな変身シーンとか入れればいいのにと思うけどそんなこともなかったしね。だったら舞台版に準拠して衣装とメイクで猫に見せるだけでもいいんじゃないのと思う。でも何かそのおかげで異形の化け猫たちの祝祭感はあって何か面白かったですよ。
舞台版を知らないのでそっちのファンの人はもっと細かい文句とかあるのかもしれないけれど少なくとも俺は結構面白かった。でも何か中途半端に舞台とは一味違う映画感を出そうとしてアングルに凝ったりカットを細かく切ったりするんだけれどその辺はただの小手先な感じがして、もっとストレートに演者のダンスを見たかったですね。俺としてはそこが一番不満です。
でも面白かったよ。上の方でも少し書いたが俺が本作を観たときは体調不良、というかぶっちゃけ酷い二日酔いだったんだけれど観終わる頃には元気になってました。そこは比喩じゃなくてそういう映画だと思うよ。前評判の悪さもあってどよんとした気持ちで観るけど、観終えた頃には結構いい気分になってるって感じ。単に俺の肝臓が回復しただけかもしれないけれど。
まぁ俺は猫が好きだし音楽も好きだしダンスも好きなんで、面白くないわけないだろというところですけど。
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