垂直落下式サミング

ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
開き直ってゴーストハウスものの新作としてるわけでも、日本版シリーズを再構築して仕切り直したってわけでもない。『呪怨』の文字が心苦しそうにアルファベットの奥に消えていくオープニングが、内容のどっち付かずさをものがたっている。
若い頃は、原作改変とかリメイク・リブート作の異同に敏感で、思ったのと違ったら「こんなの○○じゃないやい!」って、よくやってたものだけど、最近はシリーズものに関して「とりあえず受け入れてみる」ことにしてみた。そうしたらだいぶ気持ちが楽になったので、長期のシリーズについてはこれを実施して、心の平穏を保っている。ご機嫌に過ごしたいからね。
亡霊があの声であることに意味を求めたがるのが、アメリカ版の特徴。今回も喉をグサリ。その肉体の欠損による魂への影響、この因果が重要なのか。そんで、謎解きのミステリーにしたがる。東洋人的には、呪いは理由よりも現象のほうが大事だと思うんだけど、そこは見解の違いらしい。
主人公はシングルマザー。ホラー女優にしてはちょっと年を食い過ぎ。主要キャラたちもおじさんおばさんばかりで、若い女の子の悲鳴がないホラーは華やかさに欠ける。キャストで嬉しかったのは、『コロンバス』からご贔屓のジョン・チョー。呪怨のお約束である不動産屋。メガネ男子で、シャワーシーンもある。うれしい。
おばあちゃんが階段から落ちるシーンは、とてもショッキングだった。うきうきゴールデンウィーク(暇)なのでメイキングまで鑑賞したら、監督がいい感じのご機嫌な人だったので評価ちょい増し。
「日本では4は不吉な数字なんだよ!」って嬉しかったなあ。当然『学校の怪談G』も履修済みってわけね。ほかにも、ゲームはともかくマンガまで知ってるのは、ちょっとオタクすぎてキモいですぞ。