かつきよ

きみと、波にのれたらのかつきよのレビュー・感想・評価

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)
2.9
なんとなく気になってましたが、見るほどでも無かったなー、という映画でした。
ファンタジーな設定はありますが、中身は王道のラブロマンスです。

人の死が物語の中心にあり、悲しみを乗り越える展開になるわけですが、悲しみや絶望にスポットが絞られているわけではないので、崩れ落ちるような衝撃や暗さはなかったです。
ファンタジー設定も相まって、青春、爽やか、そんな軽やかな印象の方が強い映画でした。

キャラクターの明るい部分が強めに描かれているので、全体的には人生讃歌的な青春映画を見てるなという印象。

声優さんだけ棒読みで常に浮いている感じでしたが、それ以外の要素、アニメーション、音楽、ストーリー、キャラクターはどれも灰汁が無く、特に悪いところは無い安定した感じです。
アニメーションに関しては、カット割やアングル、作画枚数などはそこまでこだわりを感じず、すこし凡庸な印象で新鮮さや迫力はありませんでした。
しかし少しだけ特徴的なタッチなので見減りするほどでも無く、作画は終始安定していて、綺麗だと感じました。例えるなら下町の細田守って感じのアニメーションでした。

前半はキラキラした恋愛青春映画、中盤は軽めのファンタジー恋愛映画、ラストのほんのちょっとは勢いのあるファンタジー恋愛映画で、爽快感がありながらも、演出に少しうるってくるところも。

湘南の海、コーヒーの表現、カフェの雰囲気、登場するスポットの雰囲気などはむしろリアルで丁寧で良かったです。

このテイストの映画でファンタジー要素を入れて、わざわざ突っ込むほど破綻しいたり、薄っぺらくて臭くなりすぎて無いのは、ちょっと意外。
起承転結がしっかりしていて、要所要所で盛り上がるポイントとか、伏線回収とかもある。
素直に丁寧に作られてるなぁと感じました。

しかし、見る人によっては薄っぺらく感じるかも、という絶妙なライン。私も瀬戸際。
深いかと聞かれると深さは感じない。。。
特に登場人物の恋愛観生死観、心理描写に関しては良くも悪くもアニメの軽やかさ。私は重い方が好みなので、若干薄っぺらさが目立ちました。重いのが苦手な人には良いかもしれないです。

全体的に、やることはやってるけど、パンチが足りないし、いろんな要素に、何も引っ掛かりを感じない、、、。
一歩抜けない凡作、そんな感じでした。

軽めに何か恋愛映画見たい人におすすめ、かな。
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