ニクガタナ

きみと、波にのれたらのニクガタナのレビュー・感想・評価

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)
3.5
大好きな湯浅監督の作品を久しく劇場で観れてなく、今作は絶対初日に観ようと思ってたら、試写の評判悪く、平日午後とは言え、私以外に観客は玄人筋が一人のみで厳しい現実。レビューを事前に読んでおいて良かった。期待値上がらず冷静に観れた。湯浅ファンかどうか、彼のどの作品が好きかで評価が分かれる作品。私は好き。サイエンスSARUが驚異的スピードで作品仕上げていくのにも感心。今作はより大衆向けにヒット狙いに行ってキレイにまとめるつもりが、こじんまりしちゃって、湯浅さんの持ち味殺してちょっと波に乗れなかった感が残念。夏休み劇場アニメに求められるジブリ感を東宝とフジに強いられたか、オムレツ、卵サンドの飯テロとか湯浅さんらしくないところもあるが、そんなに悪い内容じゃない。脚本的には前作「夜明け告げるルーのうた」よりよく出来てる。相変わらず見せたい画のイメージから逆算してるんだろうけど、クライマックスと、亡くなった恋人が水の中に現れるというアイデア以外は理屈が通る筋で、歌、飯、海、波、同じモチーフが繰り返され、伏線も効いて最後グッと来て不覚にも泣いちゃった。前半のリア充描写が評価下げてるようだが、ここを描いてこその後半の盛り上がりなんだと思うが…。彼氏が聖人君子すぎるのも嫌と言う人もいるだろう。残酷性があまり出てないのも湯浅さんらしくないかも。作画がやや普通になったのはファンとしては残念。何度も繰り返される主題歌にもう少し魅力があればなぁ。期待してなかったがヒロイン演じた川栄悪くはなく。各タレントキャストなかなか頑張ってる。打ち上げ花火でイタズラ繰り返す不良どものクソ具合に本当に腹立った。あと消防士の訓練や出動、消火の様子にリアリティあるのも好印象。ちゃんと取材してる感じ。
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