あなたにふさわしいの作品情報・感想・評価

あなたにふさわしい2018年製作の映画)

上映日:2020年06月12日

製作国:

上映時間:83分

3.5

あらすじ

「あなたにふさわしい」に投稿された感想・評価

傾いて傾いて、傾いて。

二転三転して、最後はそこに向かうのか。
でも私は好きなラストでした。

そこに向かう構成もとても秀逸でしたが、
セリフがとても難しい印象だった。
俳優部への難易度が凄く高いセリフたち。

小説として読んでいたら何の違和感もないけど、人が喋っていたら違和感を感じてしまう危険性が高いレベルの高いセリフで、
観ていてぞくぞくしました!
なぜか私には刺さってしまった…
2組の夫婦が休暇で別荘地に。2組の夫婦なのだけど不倫関係の男女と仕事でパートナーの間柄の男女。という出来すぎた設定からはじまるのだけど、はたのこうぼう高橋さんの圧倒的脚本力で序盤は引っ張る。少し小難しいこと言ったりするのが濱口竜介監督の
「PASSION」っぽかったり。

さあどう転んでいくのかと見てたんだけど、途中で気づく。これは「人と人のわかりあえなさ」を描いているのか、と。(いやまさに「PASSION」じゃんと笑ってしまった)

しょうがないと少し諦めつつも生きていく。だって100パーセント人と人がわかりあえることなんてないんだもんなあ。そこからのラストシーンが最高。

山本真由美さんがめちゃくちゃハマってた。あの男どもを魅了する感じ。「EveryDay」の頃を思うとオーラというか、なにもしなくても滲み出る色気が全く違う。
Mytyl

Mytylの感想・評価

3.7
運命的にふさわしい名付けとそれにふさわしくなることについて。ひととひとが分かり合うことについて。。
映画はこんなにも語りつくすことができるのかと感動したし、こんなに雄弁なのに80分台に収まるというのは職人技。
「バカじゃなくてクズだったのね。」
というセリフが良かったです。
映画でなければできない表現ってなんだろうと考えてしまったけど、そこを突破できているのかは難しかった。演劇的でもなく、エンタメ的なお上手さでもなく、着地点が難しい。
軽井沢の別荘地の切り取り方とか男女の入り組み方とか、古くさいけどこんなにきちんと成立できるのはすごいと思いました。
もう少し安直ではなくて引っ掛かりがアップデートされたら、クレバーかつ新しい映画になるのかな。
演者が匠でした。
kentaro

kentaroの感想・評価

-
「私たちのあいだには 絶望的に埋まらない わずかな隙間がある」

脚本に感服。さすが『ハッピーアワー』。
当て書きじゃないかと思うくらい俳優と台詞が合っていて、台詞ひとつひとつもつながってくる。
坂元裕二に感じるドキドキに近いのではないか。

正しい=ふさわしい「名前」、「関係」なんてあるのだろうか

必要なときにしか鳴らない、しかし効果的な音楽も◎
shihoon

shihoonの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

山内ケンジさんのトークがあった日。
着眼点といい、独特の間合いといい、
とても面白かった。

作品自体は、苦手かもな…とは
薄々感じていて、
その予感は的中でした。

主人公の女性が、なんか…
安売りしてるように、自分には見えてしまって。
ひとのせいにしてるようにも見えたし、
もう最後は、男のひとは捨てて
一人で生きなよ!って思ってしまった。
あの、ふわふわ情緒が魅力なのかもだが、、
自分はかなり引いた目で、観てしまってた。

でも嫌悪感を抱かせるのは、それだけ
役に見えてたという事だから、
術中にハマっていたようにも思う。
まずとにかくラストが素晴らしい。
上映時間83分というのもいい。


**


割とじわじわとずっとヒリヒリする事件が起こるんだけど
登場人物はあまり壊れない。役に収まっている。

それぞれ物語を進めるための要素のひとつでしかなくて、
全然映画の中を自由に動いてくれない。。


ブランドの名前考えるシーンもポンポン思いついたの言ってくだけでリアリティがない。
(実際はもっとシステマチックに理論的に決めるものですよ)


**


正直、あぁダメな映画観に来ちゃったぁと思ってました。

はやくおわんねぇかなぁと。

でもそういえば一回も眠くなんなかったんですよね、何故か惹きつけられたままではあった。


**


で、いよいよ。
主人公夫婦の対決。

夫がベラベラ喋ったあとの妻の一言、
「ごめんっ!全然聴いてなかった!」
あまりに痛快で笑いました。


やっと殻を破ってストレートに思ってることを喋ってくれました。
ずっと溜めてた分、その衝撃がすごい。


**


ラストも最っ高っ!痛快っ!


この映画どう終わるんだろうと心配してました。
ていうかどうせああゆう感じで終わるんだろうなと思ってましたよ。


なのでほんとビックリ!痛快っ!
ほんとは拍手したかったです。


このラストがこの映画の肝。
面白いわこの映画。




**



4泊5日の出来事な気もするし、
ある人物が1秒間妄想した話のような気もする。


もしくは
人間の形をした四つの生命体と
北川悠仁に似た幽霊の話。





ネタバレはコメント欄に。
ohassy

ohassyの感想・評価

3.5
友人出演を鑑賞。

とある2組の夫婦が休暇で訪れた避暑地の別荘で繰り広げる愛憎劇であり、自分や相手との関わり方を見つめ直す物語。

おそらくほぼワンショットワンカットの長回しで撮影された本作は、やはり4人の俳優たちのアンサンブルで作り上げられた感じが強い。
個人的に美希の行動や心の移り変わりは簡単に理解できないけれど、他人の気持ちや行動の理由などというものは理解できないものだと思っていた方がいいわけで、そういう意味では逆に妙なリアリティがあるようにも思う。

途中で現れるカメラマン含め、男性陣はなんだかみんなファンタジーな印象だったのだけれど、一方でもうひとりの女性・多香子については、仕事に対しての姿勢などキャラクターがすごく理解できる気がする。
監督もパンフレットのインタビューでそう言っていて、もしかしたら最も現実的に描かれたキャラクターなのかな。
美希含めそれぞれが表現の役割を持ったキャラクターで、それぞれが物語を転がしていくために発言行動する中で、多香子はひとりその渦中で振り回され、眠り、結果つきものが抜けたようなリラックスを手に入れていたように思う。

本作はタイトルの通り、何かにとって「ふさわしい」とはどういうことか?を問う物語。
ふさわしい名前についてのエピソードは、僕も仕事柄言葉を作ることが多いので印象に残っていて、美希の夫・由則や多香子の仕事っぷりを見ていると、その言葉へのアプローチや振り回されぶりにはちょっと身の詰まる思いもある。
僕を含めたこういう人間はきっと、本作の通り心からの手紙を書くことが下手くそで、普段は言葉を操っているつもりでも、素人だと思っていた誰かの文章に全く手も足も出ないことが、結構よくある。
美希が夫にあてた手紙は、それまであーだこーだと言葉をこねくり回していた由則に対して、言葉の本質のようなものを突きつける。

観たひとそれぞれがいろんな感想を持つであろう作品だと思うけれど、僕が1番気になるのは由則と多香子のような、付き合っているわけではないが高いレベルで尊敬し合い、頼り合い、依存し合っている関係。
2人は仕事上のパートナーではあるが、ただの同僚や取引先ではない。
学生時代から切磋琢磨しながら協力し合ってきた、ただならぬ関係だ。
一方でいわゆる男女の関係はない(らしい)。 これは「男女の友情は成立するのか?」という問いだろうが、個人的に昔は成立しないと思っていたけれど最近は成立しそうだなと思いつつある。
だがそれは、妻や彼女までしっかりとその感覚が伝わるものだろうか?
朝家に帰り「友達と朝まで飲み歩いてた」と話したとして、相手が男か女かというのは、妻や彼女にとって大きな問題になりそうではないか?

どうなのさ?
演者、脚本、耳障りの良いBGM、丁度良い上映時間…ミニシアターで映画を観たなぁと、良い意味で楽しめました
監督の次回作に期待します
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