河豚川ポンズ

カムガールの河豚川ポンズのネタバレレビュー・内容・結末

カムガール(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ネットリテラシーは大切って映画。
思ってた以上にホラーサスペンスしてて良かった。
どっちかっていうとサスペンス寄りだから全然怖くなかったけど。

親に内緒でライブチャットで配信をするカムガールとして生計を立てているアリス(マデリーン・ブルーワー)は、サイト内でのランキングを上げるために過激な演出を行い、それは日に日に増していた。
やっとの思いでトップ50入りを果たしても、他の配信者から妨害を受けて順位を落としたりと、その競争は過酷そのもの。
それでも50位以上を維持していたが、ある日突然自分のアカウントにログインできなくなる。
最初は何かのエラーなのかと思ったが、運営に連絡を取ってみてもまるで取り合ってくれない。
さらに今自分のアカウントは配信中なのだと言う。
急いで予備のアカウントで配信を見てみると、そこには自分全く同じ、うり二つの女性が”アリス”としてライブチャットをしていたのだった。

Netflix配信限定の18禁ホラーサスペンス、と言うからにはやっぱりエロ多めなのかと思いきや、後半からもはやそれどころじゃないバイオレンスな展開。
主演のマデリーン・ブルーワーがめっちゃ美人でかわいいのに、もうそこまで来たらエロ要素とか軽く吹き飛んだわ。
設定も自分と全く同じ顔をした誰かが自分のチャンネルで配信してるという、まさしく現代的。
さすがにアダルトチャットの中であんな過酷な競争や露骨な嫌がらせが本当にあるのか、そこら辺のリアリティは分からないけど。
一方でこういう映画にありがちな犯人の正体が明かされるかどうかというところだけど、やっぱりというべきか正体はよくわからないまま。
そもそも人ですらないプログラムとか幽霊の類みたいな説明だったけど、まあ「実は身近な人が…」みたいなありがちなオチにしてくるよりは、よりサスペンスやミステリーに寄せることが出来て、こっちの方がよかったのかも。

幽霊探しと並行して、アリスの家族との関わり方やその変化についても描かれる。
配信のせいでどんどん人生が家族を巻き込んで終わっていくけども、その中で母親はそういう配信をしていたことを頭ごなしに否定するどころか、最後にはむしろ肯定的に捉えて応援していたのは印象的。
それがあったからこそ最後のタイマンに持ち込めたんだろう。
ここだけ抜き出すと良い話は良い話だけど、ホラーサスペンスと合わせてやるには相性悪すぎませんかね…?
何だかスッと素直に心に入ってこないというか。
そのあたりは「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」みたいには、やっぱりなかなかうまくいかないね。